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あれから二年、色々なことがあった。
イタチは本当は優しい奴だよって教えてあげてもサスケは信じてくれなくて、ついに里を抜けてしまった。ナルトは自来也様と一緒に修業に行き、サクラは綱手様の下で医療忍者としての腕を磨いている。俺の第七班は、みんなバラバラになってしまった。
サスケのことは気掛かりだけど、俺はイタチを信じてる。もしサスケが取り返しのつかないようなことをしてしまっても、イタチの身に何か良くないことが起こってしまっても、それでもイタチはサスケを導いてくれると信じてる。サスケにはまだ信じられないかもしれないけど、イタチは本当に本当に優しい奴だから。俺の命の恩人だから。だから俺はイタチを信じる。
木ノ葉崩しから立ち直るため、里はこの二年、多くの任務を俺に押しつけた。でもそれはみんな一緒で、木ノ葉崩し以降どこもかしこも「忙しい。オナニーできないくらい忙しい」とか「休暇くれー。溜まりまくってるエロゲを消化するための休暇をくれー」とか「うちのスネちゃまは来年アカデミーに入学するザマスの」なんて会話ばかりだ。
それでもがんばってる。みんな、三代目が命を懸けて守ってくれた木ノ葉を存続させようとがんばってる。
そうそう、暗部共有空気嫁の新人バーバラの人気が凄まじいらしい。過去最高、三ヶ月先まで予約で埋まってるってさ。とある会社が満を持して発売した空気嫁なんだけど、空気嫁って言うよりも普通に人形で、肌触りも素晴らしく乳なんかも本物みたいに柔らかいそうだ。勿論その分値段も張るけど、暗部連中は慰安旅行用の積み立てを崩して購入したらしいよ。大した奴らだ。
それからヤマブシ。アイツは勿論今も彼女なんていません。お前さ、女とセックスしたいんだったらせめて毎日風呂に入れよ!って何度も助言したんだけどね、大丈夫大丈夫、匂いは消臭剤とやりたがりFXで何とかなりますからブヒヒって言い張ってね。風呂に入る時間があればエロゲやりたいんだってさ。て言うかくノ一相手にやりたがりFXは効かないって言ってんのに、もう。
ああ、これはどうでも良いことだけど、つい最近四代目が個人的に借りていた貸し倉庫の契約期限が切れて業者が中に入ったらしいけど、大量のビデオとレコードがあったとかって話題になってた。レコードは勿論おもひでの火の国温泉ね。多分自分の曲がバカ売れすると思って大量生産したんだよ絶対。あの人そういうタイプ。それからビデオ中身は全部羊の……。もうやだあの人!
木ノ葉はそんな感じ。
そして俺とイルカ先生はと言うと。
「ただいま、イルカせんせ!」
「おかえりなさいカカシ先生!」
玄関の扉を開けると俺の大好きな恋人は部屋の中から駆け付けてくれて、俺を抱きしめてくれた。
「さみしかったー!」
「俺も俺も! 今回長かったですもんね」
一ヶ月の長期任務を終えた俺は、今こうしてイルカ先生の腕の中なんです。
「明日俺、半日休暇。イルカ先生は?」
「俺も合わせて休暇取ってあります。大丈夫!」
何が大丈夫なの?なんて訊くのは野暮ってものだよ。一ヶ月振りなんだもん、やることはひとつ。
「さ、一緒にごはん食べましょ!」
はい正解、ごはんです!
じゃなくて。いや、ごはんもあるけど。その次は勿論お風呂で、次に歯を磨くけど。そりゃいつものパターンですけど。そしてその通りにしましたけど。その次、その次ですよ!
そう、俺達のダブルベッド!!
一年前位にイルカ先生と大喧嘩をした時に足の部分を壊しちゃったんだけど、あ、イルカ先生が壊しましたー。俺じゃありませんー。んでも、ちゃんと修理して直してもらったよ。このベッドはその程度じゃ買い換える気にはならないからね。できれば一生使いたい。思い入れがあるもん。
「何を一人でニマニマしてんですか?」
ベッドに全裸で倒れこんだイルカ先生がちょっと不満げに訊ねる。
「ん。色々あったなーって。あと、イルカせんせ好きだなーって」
同じようにベッドに倒れこんで、愛しい唇にちゅっとキスをした。ごめんね、もう余計なことは考えないよ。イルカ先生のことだけを考えるよ。
角度を変えて唇を啄ばみながら、徐々にキスを深くする。髪を撫で頬を撫で、ゆっくりと手の平で乳首を撫で回してあげると、イルカ先生が小さな吐息をもらした。そこが固く尖るまで、指でそっと擦り続けてあげる。
「んっ」
広がる快感に顎を反らして僅かに喘ぐイルカ先生は、猛烈に色っぽい。
「ね、俺がいない間、オナニーしたでしょ?」
「いっぱいしましたよ」
「どんなこと妄想した? 教えて?」
「良いですよ」
イルカ先生は自慢の妄想を披露できるとあって嬉しそうだった。
そして俺に教えてくれる。どれだけ妄想の中で俺に可愛がられたのか、どんなふうに責められて、どんな言葉を言われて、どんな格好をさせられて、そしてどんなふうに苛められたのか。
道具を使った、縄で縛られた、アソコを縛られて長時間後ろだけをぐちゃぐちゃに弄られた、出なくなるまで犯された、オモチャみたいに徹底的に弄ばれた。
イルカ先生は俺がいない間に妄想したことを全部教えてくれる。
「卑猥! イルカせんせそれチョー卑猥! この卑猥上級妄想オナニスト!」
「妄想なくして我が人生なし!」
「ばか! だいすき!」
きゃーきゃー二人で騒いで、妄想を話したり聞いたりしてるうちに興奮して勃起したチンコを見て、また二人で「ばか! へんたい!」ってきゃーきゃー騒いだ。ひとしきりそうやって盛り上がったら。
「んじゃ、イルカ先生が妄想したこと、全部俺がしてあげるね」
俺はそう言って、期待に目を輝かせるイルカ先生に愛撫をしはじめる。
どんなことでもしてあげる。イルカ先生が想像しオナニーのオカズにしたことは全部再現してあげる。想像上の俺に負けないくらい変態的なことをしてあげる。気持ち良くしてあげる。
「髪を振り乱して泣き叫ぶまで、可愛がってあげる」
耳元で低く囁くと、イルカ先生は嬉しそうにうっとりと微笑み俺に身を委ねた。
腕の中でスヤスヤ……じゃなくて、ぷすーぷすーと眠っているイルカ先生にキスをする。
イルカ先生が妄想した俺に負けないように、今日も頑張った。後ろ手に縛ってお尻だけをメチャクチャに嬲ってあげた。お尻に挿れてください、お尻を犯してくださいってちゃんと言えるまで指だけで責め続け、ちゃんと言えても聞こえないふりをして泣きだすまで指で抉り続けた。犯して犯してってあまりにも強請るから我慢できなくなって性器を一気に挿れてあげると、イルカ先生はその刺激だけで射精した。
イイ子だねぇ、お尻だけでイけたねぇと褒めて、ご褒美に後ろを犯しながら乳首を捏ねてあげた。後ろと乳首だけを執拗に嬲り続けていると、イルカ先生は身体を細かく痙攣させながらぐちゃぐちゃになるまで悦がり狂った。
妄想の俺はイルカ先生の精液が出なくなるまで犯していた。だからこの俺は、出なくなっても苛めてあげた。イルカ先生は出なくなっても尻を弄られると悦ぶから、掠れてもうろくに出ない声でごめんなさいもう許してって言われても、ずっと愉しませてあげた。
最後は気を失っちゃったけど、イルカ先生は失神する寸前、完全に理性を飛ばし肉欲の本能だけの状態になると、止めないで止めないでもっとずっと犯してって出ない声で叫んでいた。
極めていやらしい顔で、極めていやらしいことを言って俺を悦ばせてくれた。
「気持ち良かったねー。明日もしようねー」
助平面でニヤニヤと笑い、可愛い恋人に頬擦りしてそう囁く。
今度は何をしてあげよう。全身を縛って道具を使って、オモチャみたいにして遊んであげようか。
良いなぁ。うん、是非そうしよう。
イルカ先生は性的なことには積極的で、そこに快楽があるなら結構何でもしちゃう。どれだけ恥ずかしいことを言わせても恥ずかしいことをさせても、翌朝にはケロっとして「カカシ先生おはようございます! 昨日はナイスセックス!」と元気一杯に挨拶してくる。ついでに俺のチンコにも「たいぎっ!」と挨拶してくれる。
本当にエロくて楽しくて愛しい人だ。
妄想だいすき! オナニーだいすき!って主張する。セックスだいすき!って訴えてくる。カカシ先生は、もっともっともーーっとだいすき!って、そんなこと言って俺を泣かせたりする。
そんな、世界で一番愛しい人を抱きしめて口付けをし、俺は幸福に浸って目を閉じた。
俺とイルカ先生は、この二年で随分セックスに慣れた。
挿入も楽になったし、その後少し手荒な感じで腰を振っても、それがイルカ先生の望みならお互い物凄く気持ち良くなれる。
色んなセックスをした。イルカ先生が望むまま、いやらしいことをいっぱいした。俺の望みもいっぱい叶えてもらった。
セックスは大好きだ。イルカ先生との、恋人の、本当のセックスはどんなものにも代え難いと思う。
それでも俺達は忍で、木ノ葉の状況もまだまだキツイ。長期任務に出たことだって今回が初めてじゃない。会えない夜は多く、愉しめる夜は少ない。
だから現実的に、性欲が溜まったからといって即セックス! なんてできるわけがなく、俺達は今でも普通にオナニーを楽しむ。
俺は大好きなイルカ先生にあれやこれやしちゃう妄想をしてシコる。俺の妄想の中でイルカ先生はもう何度も大変なことになっちゃってるよ。凄いよ。相当大変なことになっちゃってるから。あとたまに収集付かなくなる時あるから!
んで、イルカ先生はイルカ先生で大好きな俺にあれやこれやされちゃう妄想をしてシコる。イルカ先生の妄想も勿論凄いよ。報告してもらってると、ジ・Oったらその妄想力でどこまで羽ばたくつもりなの!って思わず突っ込みたくなる時あるから。たまに超感動巨編とか出てくるから! あと、何気にシリーズものもあったりするから!
だって上級オナニストだし、俺とイルカ先生。
まだまだ現役の上級オナニストよ? 他の追随なんて許さないよ?
今でも俺達、胸を張って言える。
オナニーだいすき!!
オナニーには夢がある。自由がある。
そして俺達のオナニーには、愛だってあるんだよ。