素晴らしい夢だった。こんな幸福な夢を僕は見たことがない。
僕はあまりに嬉しくて、目が覚めてからすぐに筆を取ったんだ。僕が今、どれだけ幸せな気分なのかを知ってもらうために。
イルカ先生。
僕は今日、死ぬかもしれない。
もし死ななくても明日死ぬかもしれない。明後日死ぬかもしれない。もしここの戦場で生き残れても、すぐさま次の戦地へと移されて前線に回され、命を捨てろと言わんばかりの作戦に使われることになるだろう。
どれだけ生き延びても、僕はずっとそういうふうに使われるだろう。
でも、万が一。
万が一、僕が生き伸び続け、いつか里に戻ることを赦される日が来たならば。
僕はアカデミーに戻りたい。
イルカ先生の生徒として、やり直したい。
里に戻れたら、今度こそ黒羽と話したい。僕はずっと黒羽を避けていたけれど、次は逃げずに話を聞いてもらいたい。黒羽は絶対に僕の話を全部聞いてくれるだろうから。絶対に。
そして僕は毎日アカデミーに通うんだ。黒羽もいるしイルカ先生もいる。僕はまたいいこになれる。
授業参観日にはイルカ先生が来てくれる。
どんな術を使ってでも、きっと僕の親として来てくれる。
何だか僕はそう思うんだ。