負の走行性
コルトレーンのブルートレインが流れている部屋で俺は姉ちゃんと差し向かい、ほんの少しだけ永司に関する話をした。本当は、この前チラっとだけ聞いた自分の父親の話や昨日俺に起こったとても辛い出来事なども話しておきたかったんだけど、それらの事は全て切り捨てて俺は姉ちゃんと永司についての話をした。
姉ちゃんは決して俺を見ようとせず、何かモノを抱え込むような感じで何度か小さな溜息を吐きながら、「どうしても光から逃げてしまう生き物」と「どうしても光へ向かってしまう生き物」の話、俺が無くした鍵の話などについて語ってくれた。「どうしても光から逃げてしまう生き物」の話は何故だかとても聞いているのが嫌で、俺はパーカーやモンクのレコードジャケットを眺めたりしながらあまり相槌を打たずにやり過ごした。何か思い出しそうになったのだけれども、何も思い出せない。思い出したくないような気がしたし、思い出すことを何かが拒んでいるような気もした。
無くした鍵の話になった時、ようやく俺はレコードジャケットを手放して姉ちゃんを見た。
「そこにないのなら、どこにあるわけなの」
この時ようやく姉ちゃんも俺を見たので、俺たちは少しの間じっと見詰めあった。姉ちゃんは本当に深い瞳をしていて、一緒に育ってきたのに俺は姉ちゃんがどんな人生を歩んできたのか全く分からない。
「どこにもないんだ」
「そんなわけないのよ。鍵はどこかにあるの。遠くにあるのかもしれないし、形を変えてしまったのかもしれないけれど、絶対にあるのよ。無くした鍵はどこかにひっそりと隠されているから、それを見つけたいのならば貴方は細心の注意を払って探さなくちゃならないの」
姉ちゃんの口調は厳しく、「どうしても光から逃げてしまう生き物」の話の時に俺があまりちゃんと聞いていなさそうな素振りをしたから怒っているのかな、と思った。
そうなのだ。俺は物事を慎重に捉えなくちゃならない。
まずはどこから? 永司に飲み込まれてしまった鍵を探す? それとも消えてしまった俺の記憶? あの時、俺の身体に何が起こったのかを理解する? あの時、永司が俺に何をしたのかを聞き出す?
全部の答えを、俺は知らなくてはならない。
第1章 俺達は何をどこまで
ジョン・コルトレーンのサックスが聴こえる。
危ないから泊まって行けと言う母ちゃんの言葉に結局永司が折れ、その日は俺の部屋に布団をひいて二人で眠ることになったのだけれども、姉ちゃんの部屋からはずっとコルトレーンが聴こえるんだ。
俺の部屋には俺の匂いがし、俺の布団は俺の温もりがあり、思い出そうと意識しなくても剥がれ落ちるように次々と古い記憶が蘇る。まだ自分の身体を上手く動かすことも出来なかった頃の記憶が、母ちゃんの肌の匂いの記憶が、姉ちゃんが静かに何かを歌っていた記憶が、日差しがあまりにも眩しかった記憶が、雪の解ける音を聞いた記憶が、そんな断片的であまりにも懐かしい乳飲み子の頃の記憶が俺を包み込む。
更に古い記憶が蘇る。
母ちゃんに抱かれて乳を吸っている時に聞こえてきたストーブの上のヤカンの音や、産湯に浸かっている時に胸の上に置かれた白い清潔なガーゼの感触、それから母ちゃんと姉ちゃんと3人で誰かの墓参りに行った時に見えた、切り立った崖と真夏のような青い空、取って付けたような白い雲、崖の下には青いと言うよりも藍色に近いような海、波が岩に当たって飛沫をあげている美しい夢のような景色。あの時、海から風がきて俺の目の前で長い髪が揺れた。俺はそれは姉ちゃんの髪だと感じて……。
この記憶は知っているな。どこかで見た。
でも、俺にはもっと古い記憶だってある。母ちゃんの身体に入る前の――――。
盛り上がった土の隙間から見える汚れた肉の塊のようなモノに懸命に土を被せている記憶が何の脈絡もなく浮かび上がり、俺は今、自分が夢を見ているのだと知った。
しかし夢の中でもコルトレーンは聴こえるし、永司が隣で寝ているのも分かる。それから、永司がずっと姉ちゃんの部屋の方を気にしている事も。
永司は姉ちゃんがいなければ何をするつもりだったのだろう。何となく、何となく分かる…かな。だって姉ちゃんがこうして見張っていなければ、俺、こうやって眠っていられない。
……なんだろう……俺、本当は色んなことが分かってるような気がする。
こうやって記憶は蘇り、そしてまた消えていくのか。
目が覚めると隣に永司はいなくて、俺は布団の中でもぞもぞしながら天井を見上げていた。もう3月だというのにまだ寒くて布団から出たくないと思いぼんやりしていたら、母ちゃんが起こしに来て布団を剥ぎ取られた。
リビングに行くと永司が身支度を整えていて俺を待っていたので、俺も帰る準備をする。永司は「自分と春樹君の間には何一つ問題はありません」といった態度で母ちゃんと会話を交わし、母ちゃんはまんまとそんな永司に騙されはしゃいでいた。これで良いのか悪いのか分からないけど、多分良いと思う。だって確かに俺が自分でここに逃げ込んだわけなんだけど、今になって「母ちゃんの可愛い息子はホモになりまして、その相手はこの岬杜君なんですけど、まぁなんと言うか近頃イロイロありまして一昨日まで俺はメスでした。しかも発情期だったようです」なんて言ってもしょうがないし。ってゆーか言えないし。
ただ、姉ちゃんはずっと永司を警戒しているように見えたし、昨日からずっと牽制しているようにも見えた。そして、それは永司も同じだった。
昨日色々と決意したんだし頑張らなくちゃいけないことが山積みなんだが、どうしても気分が重かったというか、正直、気分の重さはナウマンゾウ30頭分くらいだけど俺と永司は帰ることになった。
分かってる分かってる。俺は永司が好きだし永司を受け止める。俺は大丈夫だし俺は精一杯の愛情を永司に与える。
そう思って自分に気合を入れ母ちゃんと姉ちゃんにバイナラをして、永司の単車のケツに乗ってまだ寒いのにホントに単車でここまで来た永司をバカにしていると、ナウマンゾウが1頭減ったようだった。
途中、俺の提案で恋路に寄った。
近くのコンビニで使い捨てカメラを買って、恋路の駅に行く。永司に携帯のカメラじゃダメだったのかと訊かれたけど、「使い捨てカメラというところに趣があるんじゃねぇか」と言って笑ったら、ナウマンゾウは更に2頭減った。それから二人で無人駅に立ち、真ん丸いミラーに映る自分達の姿を上手く写真に撮ったり、あの日俺がガツガツに殴った時にできた永司の頬骨の赤黒い痣などをアップで撮ったり、永司が片腕を伸ばし、二人でピッタリくっ付いて勘でカメラの角度を決めて写真を撮ったり、恋路という駅の看板と自分達をどうやって写真に収めるか悩んだり。
永司が母ちゃんに接した態度は「自分と春樹君の間には何一つ問題はありません」だったけれど、実際に何一つ問題はないと思えるくらい楽しくて、俺のナウマンゾウは俺が笑う度、永司が笑う度、手を繋ぐ度、肌が触れ合う度に減っていく。
久々に見る自分のアパートに到着したのは夜中過ぎだった。
俺は何も言わなかったし、永司も何も言わなかった。
メットを返す。
永司はエンジンをふかし、ひとつ頷く。
「愛してるよ」
本当に自然に、心の底から湧き出た俺の言葉に永司がもう一度頷いた時、俺は出かかっていた「寄って行け」という言葉を静かに飲み込んだ。
そして黒いゴーグルの奥から放つ永司のとてもリアルな視線を感じていた。
永司の整った手が伸びてきて、俺の肌に触れる。
既に息が上がっている俺の身体はその手に更なる刺激を求め、身体を捩らせながら甘ったるい声を出した。
「ヤラシイ声出すなよ」
暗闇の中で永司が笑いながら俺の胸の突起を身体の芯に響かせるような強さで摘み、それからゆっくりと撫でる。
「ああっ……」
甲高い自分の声が遠くで聞こえる。同時に永司のペニスを咥え込んだ俺の下半身が大きくうねった。
快感だ。そこにあるのは快感だけだ。このままずっとセックスだけをして生きていきたいと思う程の、このまま身体を壊されれば良いと思う程の、このまま全部溶けて無くなれば良いと思う程の。
「気持ち…っ……あっ…ぁ…アアッ!」
身体の芯が汚く崩れていく。擦られて、突き上げられて、抉られて、掻き回されて、崩れていく。俺が、俺が、俺が、崩れていく。
「もっとだろ? 最後までイキてぇんだろ?」
耳元で聞こえる永司の声に俺はケダモノのような声を出してそれに応えた。暗闇は互いの輪郭を消滅させ、俺の身体と永司の身体の境はない。
俺は永司で永司は俺だ。
「気持ち…良い…気持ち良いッ……――――もっともっと…もっと…永司もっと!!」
「俺の許可なくイクなと言ってるだろ」
無意識に自分のペニスを握ろうとしていた俺の手を、永司が払う。
永司は禁止する。俺が射精するのを禁止する。声を我慢することも、本能を拒絶することも、快感から逃れようとすることも、俺が自分のペニスを扱くことも。
しかし永司にそれらを禁じられる事すらいつの間にか快感になっている。
気持ち良い。
俺は、俺ではなくなる。
今の俺は、ケツに挿れられて弄くられる度に涎を垂らし嬌声を上げ身体を震わせて快感を得るだけの生き物。
「うそ……」
うんざりするようなアレな夢から覚めた俺を待っていたのは、冷たくてベットリとした…そんでもって下半身が多分ちょっと精子臭い現実だった。
「うっそぉ」
もう一度言ってから布団を捲ってパンツを覗く。
「うっそぉ〜」
三度目で本当にがっくりきて、ついでに何だか恥ずかしくなった。よりによって夢精なんて。俺が。この深海ちゃんが。
とりあえず冷たくて…というか気持ち悪いのでそのまま下着を脱いでそれを洗濯機にブチ込み、シャワーを浴びようと浴室に向かうと、浴室のドアを開けた時に携帯の着信音が聞こえた。無視してシャワーを浴びようと思ったが、誰からか気になったのでしょうがなしに戻ると、相手は真田だった。
「お前どこ――」
『バーカバーカバーカバーカバーカバーカ!!』
「落ち着け真田。俺はお前ほどバカじゃねぇ」
『バーカバーカバーカバーカ!! ヒジキの大馬鹿!! このうつけ!!』
真田は言うだけ言うとさっさと携帯を切った。連絡不通だった真田は、とりあえず元気はつらつのようだ。機嫌は悪いようだが。
それからシャワーを浴びてスッキリし、久し振りにチャリで学校に行った。まず担任に呼ばれ、このところの不登校についてコソコソと何故か小声で叱責され、その次に学年主任に呼ばれ、進級する気があるのかと問われ、最後に生活指導室に放り込まれてそこに居合わせた数人の教師とほうじ茶を飲みながら雑談した。
教室に戻ると授業は始まっており、しかも移動教室だったので誰もいなかった。今朝元気に俺を罵った真田以外は。
「いつ戻ってきた?」
無心で漫画雑誌を読んでいる真田に近付き、そう訊ねながら真田の席を通り過ぎると窓際の永司の机を覗き込む。永司はまだ登校してないみたいだ。今日は来ないのかもしれない。
「昨日の夜。それよりも、お前は本物のうつけものだ」
真田は顔を上げず、まだ熱心に漫画を読みながらそう答えた。俺は真田の前の入来の椅子に後ろ向きで座り、真田の机に肘を立ててボンヤリと漫画雑誌の表紙を見ていた。表紙の向こうに見える真田は、暁生が言っていた通り頬がこけていたし目の下にクマが出来ていたし、何よりもとても不機嫌だった。
俺は暁生の話を思い出し、一呼吸置いてから落ち着いた声を出した。
「話があるんだ。大事な話」
学校に戻ってみて俺が最初にこの件に関する話をする相手が、永司でも苅田でも砂上でも岸辺でもなく、よりによって何故扱い難いこの女なんだろうと一瞬不思議に思った。コイツの声が聴きたいと思った時は連絡が取れなかったのに、運命は出来すぎのようであり、嫌がらせのようでもある。
機嫌の悪い真田は返事をしない。だから俺は話を進めた。
「この一ヶ月間、とても沢山の出来事があった。それをひとつひとつ説明する気にもなれないくらい多くの事だ。その出来事の中に、お前の夢があるんだ。夢の中のお前は何か懸命に俺に話し掛けていたんだけど、俺にはお前の声が聞こえなかったんだ。あの時お前が何を言っていたのか、激しく気になる」
後ろ向きに座った椅子を傾け、肘に体重をかけながら雑誌の表紙をツンと指で突付くと、真田が触るなと言わんばかりに大きく雑誌を振った。
「それから、俺は人生の中でたった一度しかないと思うくらいの大きくて重大な選択をした。その時お前の言葉を思い出した。お前は『岬杜永司を受け止めろ』と言ったが、俺は逃げることを選択した」
「アホか!!」
真田はようやく雑誌を置き、俺をぶん殴りそうな勢いでそう言った。
「でも、受け止めることは出来ない状況だったんだ。上手く言えないけど…」
「それでも受け止めるべきだったんだ!!」
「受け止めようとしたとしても無理だったんだ。受け止めれる状態じゃなかった」
「逃げるよりマシだ!!」
「じゃあどうすれば良かった? 無理だと分かってて、それでも受け止めようとして、そんで失敗して、二人でオカシクなって……そうなれば良かったっていうのか? アイツも、多分俺も正気じゃなかった。俺は自分に何が起こっているのか分からなかったし、今も何があったのか分からない。第一、何を受け止めるのか、何から逃げたのか、本当のことは何一つ分かっちゃいない状態なんだぜ? そんな俺があの時に出来たことはこれ以上事体が悪い方向へ行かないようにすることだけだったんだ!!」
叫び終えると無性に真田に腹が立ってきた。真田は何を知っているというのだ。真田に何が分かるというのだ。俺があの時、どれほど苦しかったのか、どれほど辛かったのか、あの時俺たちはどんな状態だったのか、真田に分かるものかと思った。
「お前山姫様んトコに行ってたんだろ。夢で見た」
口を閉ざした真田にそう尋ねたが、真田は何も言わず冷めた目でまた雑誌を手にしようとしたので、俺はその手を払った。
教室にパンという音が響き、それから雑誌が床に落ちた音がした。
「何しに山姫に会いに行ったんだ。暁生を俺の実家に行かせたのは何故だ。何故俺の実家の住所を知ってた」
前から真田は何かを知っているのだと思っていた。しかし真田は言わないし、俺も訊かなかった。何故なら、永司に関することは俺が一番理解していると思っているし、そうじゃないと嫌だったからだ。だから真田には訊かなかった。俺は自分で解決したかった。しかし今は、物事を自分で解決するために真田が知っている全てを聞き出したいと思う。
真田は俺が払った手を軽く振ってから床に落ちた雑誌を拾い上げ、その雑誌で俺を殴った。ガードに入れた腕に雑誌の角が当たってかなり痛かった。
「能登の住所は学校に問い合わせた」
「わざわざ? お前が?」
「そうだ」
「それじゃその他の質問の答えは?」
「ヒジキは、魚は何故溺れないのだと思う? 鳥はどうして飛べるのだと思う?」
「知らねぇ」
「私は本能だと思う」
冷めた目のまま、低い声を出した。
真田の掠れた声は身体によく染みる。この声は、耳から入る音ではないような気がする。
「その本能が、なんだ」
「お前が訊ねた質問の答えだ」
俺は最大とも言えるほどのデッカイ溜息を吐き、身体を曲げて真田の机の上に頭を乗せた。真田の机は冷たいのか俺の頭が熱いのか、とにかくその体勢は気持ち良かった。
「本能って一言では済まないだろ? 本当は何か知ってるんだろ? お前は一体何を感じて、何をしに山姫の所に行ったんだ。頼むから本当のことを、出来るだけ詳しく教えてくれないか」
「山姫に助けを求めに行った」
「何の助け? 何故山姫?」
冷えた机に額をつけたまま真田の返事を待ったが真田はそれ以上何も言わないので顔を上げた。
真田は冷たい目をしたまま俺をじっと見つめていて、さっきからその目が気になってしょうがない俺は手を伸ばして真田の頬に触れてみると、不健康なその頬は今まで俺が頭を冷やしていた机よりもずっと冷たくて、手から伝わる真田は驚くほど疲れていた。
「私は何も分からない。でも前からたったひとつだけ絶対的に分かっていることがあって、それが『深海春樹は岬杜永司を受け止めなければならない』ということだったんだ。それなのにお前は逃げた」
「その結果は見えていた! 加速しながら破滅に向かうより、道を探すことを選んだだけだ!!」
「私なら岬杜永司を受け止めることが出来た」
俺は真田の頬から手を引き、自分の席に戻ると授業の準備をして教室を出た。そして、授業が終わると苅田を誘って学校をフケた。
永司がいないことを良いことに俺は苅田にバカみてーに甘え、苅田の部屋に着くと本当に恋人のように苅田の側を離れなかった。苅田の膝に乗って苅田の首に腕を回し、きゃーきゃーとはしゃぎながら時間を潰した。苅田は最初に何があったのか尋ねてきたが、俺が言葉を濁すとそれ以上は何も言わなかった。
「もそもそ〜? 今日どした?」
『ちょっと疲れてて』
「あそ」
『春樹は? 何してた?』
「苅田と遊んでたぁ」
『苅田かよ』
「苅田です。心配ならガッコー休むなっ」
『明日は必ず行きます』
「よろしい」
『他は? 何か変わったことあった?』
「あーー……真田に苛められたぁ」
『……』
「アイツって本当に意地悪い」
『……』
「俺、マジで泣きそうになったもん」
『……』
「俺が泣いたら慰めろよ」
『一緒に泣く』
「ばーか。男が二人でメソメソしてたら気持ちワリーだろ」
『そうだな』
「……」
『……』
「ほいじゃ、明日。ガッコーで」
『うんおやすみ。好きだよ』
「おやすみ。俺も好きだよ」
永司。今日はとても嫌なことがあったよ。
真田がさ、真田がさ……。
俺、今日真田に刺されたんだ。痛いんだ。今も凄く。
永司、永司。
俺は誰にも負けたくない。お前に関することだけは、絶対に誰にも負けたくないんだ。俺が一番お前を愛してるし、俺が一番お前を理解してる。お前をコントロールできるのは俺だけで、お前が心を開くのも俺だけ。そうだろ? そうだよな?
なぁ永司。今日はとても嫌なことがあったんだ。
永司、永司。
伝えたい気持ちや想いをヒョイヒョイと伝えることが出来るのならば、俺達は何をどこまで知ることが出来るんだろうな。