ファイナル・ファンタジスタ1


■■前回までのあらすじ■■
惰性的な平和が続いていた男ばかりのオーマン国に、100年前に滅んだはずの魔王チョメチョメが復活した。チョメチョメの復活により一抹の不安を覚えたオーマン国民が魔王退治署名運動を開始し、事態を多少重く見た国王が臨時国会を召集。多分満場一致で100年前に永遠の眠りについた勇者ヤダモンを復活させた。
ヤダモンは永遠の眠りから覚め、今また魔王チョメチョメを倒す旅に出ようとしている。

第一章 勇者の目覚め
 
 ヤダモンは目覚めると、「ちょ、まじダリー」と呟きながら近くの者にオシボリを持ってこさせ、まず自分のちんこを綺麗に拭いた。
「勇者様のお目覚めであーる!」
「るせーよ」
 やばい、ヤダモンは寝起きが悪い。
 身体を起こしちんこ丸出しのまま廊下に出ると、城の者が一列に並びズボンとパンティを下げ、尻をヤダモンに向けて四つん這いになっている。「どうか目覚めの一発はわたくしめの尻で」と誰もが思っているのである。
 ヤダモンはそんな尻の列の間をサンダルの底を擦りながらだらしなく歩き、王のいる間に入った。その間誰の尻にもちんこは挿れていない。
「よくぞ目覚めた勇者ヤダモンよ!!」
「るせー怒鳴らなくても聞こえるんだよ」
 ヤダモンは王の間に並んだ尻の列の後方東の3列目にいた少年を手招きし、その尻にその凛々しい伝説の妖刀村正ちんこを一気にブチ込んだ。
「ああ勇者様!!」
 少年は身に余る感激とその衝撃に目に涙を浮かべ尻を振る。
「ああんわたくしめ、産まれてこの方運のなさは類稀なものがありまして、ああんそんな激しくっ! そ、そんなぅあんっ! 今日も城に出勤するまでの全ての信号に引っ掛かり、ああっああん!!」
 感奮した少年の穢れなき瞳からは大粒の涙が零れ落ちた。
「勇者ヤダモンよ! 魔王チョメチョメを打ち倒すために色々と準備や打ち合わせが必要であろう。私の部屋に来るが良い」
 王はヤダモンの妖刀村正ちんこを見てからというもの、胸の高鳴りが止まらない。100年前とは違い、今の自分はもう若くない。朝勃ちなんぞもっての他、従者にフェラチオしてもらっても駄目、猫耳コスプレの少年が3人でお口奉仕でようやく勃起する始末なのである。しかしヤダモンの伝説ちんこを見た時から感じるこの胸のドキドキは何だ。ああ、100年前、ヤダモンに土下座してヤってもらったあの時のあの感じ…ああ、僕のアヌスが変になってきちゃったよ!みたいなこの感じ。ああん老いらくの恋は恐るる何もなしって言うじゃない、ガンバ、自分!
 王はとにかくそんなことを考え勇気を振り絞って自分の部屋にヤダモンを誘ったのである。
「魔法使いと吟遊詩人と賢者揃えとけ」
 ヤダモンは運のない少年からちんこを抜くと、そう命令して銀色の自転車で城を去った。
「わたくしめ、無修正エロビデオを通販で購入すること24回。この年齢でこの回数、なんたる恥知らずとお思いになられるでしょうが、わたくしめが購入したビデオは画面全体にモザイクがかかり何をしているのかさっぱり分からないものや何も入ってない空のビデオ、前戯だけ行いいざ本番前でプツリと切れる不良品、はたまた動物の交尾から怪しげな宗教勧誘ビデオなど、全て消費者を欺く悪質な偽物であって結局一度も本物を見たことがないのです。そんな運のないわたくしめが今回このような身に余る……」
 人一倍赤信号に引っかかりやすい体質の少年は尻をかかげたまま、歓喜の涙も拭かぬまま、既にその場から消え去ったヤダモンに対して長々と感謝の意を表明していた。
「勇者ヤダモンよ、我が部屋にて……」
 自転車で去って行く想い人を名残惜しそうに見送り、王は勇者に淡い恋心を抱いた自分を恥らうこともなくそこでデビルイヤーは地獄耳で気まぐれの勇者が自分の誘いにノッて自分の部屋へ「打ち合わせ」に来るのではないかという妄想という想像にしがみ付いてそこでグズグズしているのであった。

「わたくしめが今回の魔法使いでありますオソモンです」
「わたくしめが今回の吟遊詩人でありますイルダケーです」
 ヤダモンが自転車で城を出ると、尻を出した兵士の中から二人がおずおずと歩み出た。ヤダモンはひとつ頷くと自転車を下り
「この2人を連れて来た者は前に出ろ」
 と叫んだ。この人選をお気に召さなくご立腹か!と兵士達は怯えつつ尻を出しつつ、人事課の部長を人身御供として差し出す。
「仕事が早いな。誉めてやる!」
 ヤダモンは言うよりも早く人事課部長の尻を持ち上げ、その聖剣エクシカリヴァーを深々とアレすると、人事課部長は感激のあまり絶叫しながら絶命したのであった。なんと感動的なヒトコマであろうか。勇者にアレされ死ぬというのは、この国の者全ての憧れなのであるのだから。
 ヤダモンは事切れた人事課部長の中にたっぷりと白くどろどろしたものを注ぎ込むとようやくその性剣を抜き、片手を差し出し、兵士から生ビールを受け取ってそれを飲み干す。
「んで、賢者はどこだ」
 ゲップをしながらのヤダモンの言葉に魔法使いが答える。
「賢者イイモンは、村境に現れ村人を惑わせている魔物退治にでかけております。恐れ多くもわたくしめが只今青魔法を使って勇者様を自転車ごと浮かせませて…」
「いや俺、ケッタ(注:ヤダモンの自転車の愛称。但し彼は中部人ではない)で行くし」
「いらぬ労力をおかけするわけにもいきません」
 オソモンは首をふり、呪文を唱え始めた。
「高天原にふにゃらるわ。マハリクマハリタテクマクマヤコン。一夜一夜にベララルラー。アブラカタブラひらけゴマ。恋の呪文はスキトキメキトキス。BeッドにMgればKノジョはすScりBaRa色だ。臨兵闘者皆陣裂在前」
 オソモンは呪文を唱えた!
「カイザードアルザードキスクハンセグロスシルク灰燼と化せ冥界の賢者七つの鍵をもて開け地獄の門七鍵守護神ソワカ。寿限無寿限無五劫の擦り切れいとこ同士は鴨の味。祇園精舎の鐘の音諸行無常の響あり。純チャン3色鳴いたらザンク芋の煮えたもご存じない」
 オソモンは呪文を唱えている!
「リフレクリフレク臭い息」
 ヤダモンは自転車に乗って去って行った。
「戦線から遠のくと楽観主義が現実にとって変わる。 そして最高意思決定の段階では 現実なるものはしばしば存在しない。 戦争に負けている時は特にそうだ」
 イルダケーはモジモジしながらその場に突っ立っていたのだが、ヤダモンは先に行ってしまうしオソモンの呪文はいつ終わるのか見当もつかないので、しょうがなく自分の津軽三味線を取り出し、無我夢中で呪文を唱えているオソモンの手を引いて三味線に跨らせ、自分も半分落ちそうになりながらそれに跨り、三味線を「ベンベン」と鳴らした。
「おお」
 兵達の歓声があがる。
 ベンベン、と空を飛んだのだ。
 べんべん。
 鳴らす度に二人を乗せた三味線はのろのろと空を進む。イルダケーの前にいるオソモンはまだ夢中で呪文を唱えていた。

 ここは村境。
 ヤダモンは結局自転車でここまでやってきた。
「誰かおるー?」
「べんべん」
 ヤダモンの呼びかけにおずおずと返事をしたのは後から三味線でやってきたイルダケーである。
「いやオメーじゃなくて」
 ヤダモンは村人から話を聞きたかっただけなのであるが、即座に存在を否定されたイルダケーの心には血の涙が溢れださんばかりだ。
 ヤダモンは辺りを見渡した。森の奥から微かに妖しげな声が聞こえてくる。
 ヤダモンは自転車をおり、森の中へ入っていった。森の奥から「あはんうふん」と誰かの声が聞こえ、後方からべんべんと三味線の音がする。
「勇者さま!」
 そこに現れたのは手拭で頬被りした近所に住むよぼよぼな長老であった。
「出現率低ぃよ村人の分際で。とにかく事情を手早く説明しろや」
 ヤダモンの指示に長老は頷き、とりあえず尻を出しヤダモンに向け、説明を始める。
「ここは過疎の進んだ平凡極まりないド田舎の村でして、分かりやすく言うとアレです。原付乗ってるジジイとババアがわんさかいるんだけど、「麦わら帽子とか手拭頬っかむりしてりゃノーヘルにはなんない」とか、なんか勘違いしてて、しかも外出時でも家に鍵はかけないし他人の家でも皆勝手に上がりこんでくるような分かりやすい田舎です。帰ってみると玄関に誰かが置いてってくれた野菜がこんもりあるような」
「ダリーからかいつまんで言え」
「はい、かいつまんで言いますと、熊五郎が現れました」
「マジー?」
 ヤダモンがだるそうに頭をかく。熊五郎が現れた、つまり冬眠から目覚めたとなると大変だ。次の冬眠までヤツは飽きることなく村民を襲い続け、村民はきゃつの果てることのない性欲とその空を指し続けるペニスと「ネトネトしててけものくさぁい」魅惑の精子にゾッコンLOVEになってしまうのである。普段は搾取される側である農民達がここにきて一気に(精子を)搾取する側に回るという恐ろしき事態。
「しゃあねぇ、急ぐぞ!俺の今晩のアヌスがこの長老だけって事態だけは避けてぇ!」
 ヤダモンの容赦ない一言に長老の胸が痛んだ。長老は密やかに甘く願っていたのだ。「村の若者が全て熊五郎に失神ノックアウトされてて、今晩のヤダモン様の夜伽が自分だけになっちゃえば良いんだもん!」と。



 森の中で色々あった。



 ヤダモンはついに洞窟の中にいる熊五郎を発見した!!
 熊五郎のチンコ待ちをしていた村の若者もヤダモンを見て正気に戻り、すぐさま尻を高々とあげる。
「あああああっ! 熊五郎さんステキ☆」
 筋骨隆々たる毛むくじゃらの熊五郎の上に乗りかかり、上下に揺さぶりつつ肉棒を下のお口で銜え込んでいるのは、色白で華奢な少年であった。
「賢者イイモン様は先週からああして熊五郎のチンコを独り占め…いや退治してくださっております」
 村人Aが尻をウズウズさせたままヤダモンに説明した。
 イイモンはケツを振りながら恍惚と熊五郎退治をしている。
「そ、そんな熊五郎さん! そんなトコまでっ! ああ、僕おかしくなっちゃう! きゃふん☆」
 熊五郎の金玉がひくつき、チンコが一層硬くなる。
「ひぃっ!か、硬いぉ熊五郎さぁんっ。僕のアソコがどろどろに…あ、あ、あああっちっち、あっちっ! 駄目、それは駄目!僕のあそこが馬鹿になっちゃうよっそれは駄目!はあんうあああんオチンチンで僕一杯になっちゃうぉ〜」
 ヤダモンは暇だったのでとりあえず近くの村民のケツにその神々しいペニスを差し込んだ。挿れられた村民は歓喜のあまり即座に射精する!
 妖しい光が大地を包む!
 熊五郎が射精した!
「あああ!僕お尻の穴で妊娠しちゃうよっそんな精子一杯だしちゃだめぇ〜っ! 熊五郎さんの…熊五郎さんのチンコが熱い〜〜熱いよ熱いよ熱いチンコで僕のとろとろになったアソコに一杯どろどろのが出てくるのぉっ!!」
 イイモンが身をくねらせ、熊五郎の精を一滴残らず搾り出そうと極めて積極的に床運動を繰り返すと、熊五郎はついに白目をむいた。
 しぼんだチンコをその美尻から抜き取ると、イイモンは立ち上がり熊五郎を見下ろし蔑視する。
「もうギブかよ。ぷ」
 イイモンはフンと鼻で笑い、自分が強制的に冬眠させた熊五郎のチンコを足で踏みつける。
 そして顔を上げ、ヤダモンを見つけると「キャ!☆」と短く嬌声を発しTシャツを下に引っ張って自分のチンコを隠し、頬を染め、潤んだ瞳で上目遣いをし、完璧に計算された角度で尻をチラリと見せた。
 が、ヤダモンはその時、ようやく唱え終えたオソモンの呪文で空に浮きつつ、村人Aの尻からチンコを抜き差ししていただけだった。

 その晩、熊五郎退治に成功した&勇者様が現れた!とあって、村をあげて祭りをし、村人は揃って結局何もしなかった勇者ヤダモンに尻を差し出し、ヤダモンはその晩村人と激しい契りを交わしたのだった。

 国一番の美少年である自分にメロメロにならないヤダモンへの怒りの矛先を村人に向け、イイモンは一晩かけてこの村に呪いをかけたのだが、それはオソモンとイルダケーが朝方こっそり解除したようだ。
 とにかく旅は始まったばかりなのである!

第一部完







 小説++