一年前の今日は、何してたんだっけな。
 ふとそんな事を思い出したな。
 オンナ。一年前のオンナ。
 一杯いすぎて思い出せねぇや。イブの夜の事も忘れてるんだ。どうせたいした夜じゃなかったんだろうし、たいしたオンナでもなかったんだろう。
 あの頃はオンナより深海とツルんでた方がオモシロかったような気がするな。だってアイツ、楽しいヤツだし。
 そういや深海とは結構遊んだな。一緒にオンナ釣ったし一緒にメシ喰って、朝まで遊んで。
 いつからだっけ。
 あんなに気に入ってた深海とツルまないようになったのは。





「そーいやさ、なんで携帯かけてみないんだよ」
 ふと気がついて訊いてみた。
 公園にはもう人もまばらで、空気はシャレになんねーくらい冷えてた。
「……いの」
「あ?」
「知らないの」
 彼女は両手をモゾモゾと動かしながらちょっと困ったような顔して言った。
「知らないって…もしかして、番号を?」
 訊いたらまたモゾモゾやりながら困ったように頷くのな。そんな困った顔されてもよ、オレもなんか困るんスけど。
「それって…」
 彼氏って言うか?普通。
「それって?」
「いや…なんでも」
「おかしい?」
「まぁ…少し」
 彼女はまた困ったように笑った。




 深海と一緒にいるのは楽しかった。だから、コイツとはずっと一緒にいたいなと思ってた。
 ぶっちゃけ、深海と一緒にいたいと思うのは楽しいだけって理由ではなかったと認めるよ。深海は、あの苅田から異様なほど愛されてたんだ。苅田は深海だけはいつも特別扱いしてた。いや、苅田だけじゃねぇな。他の奴等からも深海はいつも特別扱いだった。オレはその恩恵に与りたかった。
 それなのに、オレは深海とツルむのを止めた。
 去年の秋から。




「知らないってのはウソ。ウソついてごめんなさい。ホントは、携帯にかけたら彼は凄く怒るの。こんな事を言うの、とっても恥ずかしいから言えなかったの」
 突然思い切ったように彼女は言う。
「や、でも」
「彼は、嫌がるの。どんな時でも。例えこんな時でも」
 お前騙されてるよ。
 彼女の声が震えてた。寒いからだと思う。
「お前、どこでそのオトコと知り合ったんだよ」
 彼女は黙った。

「私は待ってみるよ」
「オレも待ってみる」

 オレは立ち上がって、公園の端にある自販機に向かって歩き出した。
 彼女は確実に騙されてると思った。




 去年の秋、学校から帰る途中でバカそうな奴等に岸辺が引き摺られて行くのを見た。
 偶然、だった。
 あの時オレは何を思ったか。
 何を思ったか。
 服を引っ張られて引き摺られて行く岸辺と一瞬目が合ったような気がしたんだ。だから、岸辺はあいつらに何かされた後、深海にオレの事を言うような気がしたんだ。「芳丘君は助けてくれなかった」と。オレはそれが怖かった。岸辺と深海が仲が良いのはよく知ってる。だから怖かった。深海に何か言われるのが怖かった。見捨てたのかと問い詰められるのが怖かった。
 だから深海に連絡した。
「すぐに行く。芳丘、ワリーけど時間稼いでくれ」
 深海に言われてオレは慌てて。
 だってオレ、関係ねぇじゃん?それに岸辺を連れて行った奴等、五人以上いたんだぜ?やだよオレ。あんなのに関わるの。
 誰でもそうだろ?
 だから、「忙しいから」とか言って携帯一方的に切って、走って逃げた。
 別にオレが逃げなきゃならない状態じゃなかったのに、なんか足がかってに動いて。そんで、逃げたみてーになった。
 次の日、岸辺は学校に来なかった。いや、暫く来なかった。入院してたらしい。
 深海はオレに礼を言った。「連絡してくれてサンキュな」と。
 オレは何も言えなかった。




 自販機でコーヒーを2個買った。
 熱い缶を持って彼女の元に戻ると、ひとつを彼女に渡してやった。
「ありがとう」
 彼女はずっとその缶を手にしてたな。飲まなかった。ずっとその熱い缶を手の中で転がして、ちょっとだけ笑いながら、微笑っての?ちょっとだけ笑いながらコーヒーの缶を手で握ってた。 「来なかったらどうする?」
「彼が?」
「そう」
「芳丘君はどうする?」
「12時までに来なかったら、帰る」
 公園の時計を見上げたら、もう11時を回ってる。
 公園はシンと音がするくらい静かだったな。彼女の吐く息が白くて。オレの吐く息も白くて。
「私は今日、帰れないの。だってママに…そう言っちゃったし」
「オトコと過ごしますってぇ?」
「まさか。今日は友達の家で過ごすからって。友達やその友達の御家族に口裏まで合せてもらったの」
 彼女は有難そうに缶を持ったまま手を合せた。
 彼女はどれだけ期待してこの約束を待ちわびていたんだろうと、そんな事を思った。
「んじゃ、12時になってもオトコが来なかったらオレの家に来いよ。何もしねぇし」
 彼女のオトコが来るわけない。
「私…待ってみるわ」
 彼女はオレの誘いに何も言わず、ただそう言った。
「オレも、待ってみるぜ」
 12時まで。




 岸辺の事件があってからオレは深海を避けるようになった。深海は元々オレを気に入ってなかったからか、それとも元々友達の多いヤツだからか、それともあの時岸辺を見捨てたオレを恨んでいるのか、とにかくオレを誘う事は滅多になかった。
 オレは深海と喋る度に、あの日の事を思い出した。そして、何度も頭ン中で言い訳した。
 あの状態だったら誰だって逃げるだろ?と。
 オレは喧嘩が強いわけじゃない。そりゃ、いつもいつも逃げてるわけじゃねぇよ。でも、苅田や南、深海なんかと一緒にされたら困るよ。オレは普通なんだ。いつも大口叩いてるけど、それは認めるけど…でも、だからってあの時オレが岸辺を助けに行ったとして何ができたんだよ。岸辺が入院する程の怪我をしなくてもすんだかもしれない?でも、オレだってボコにされてたはずだぜ?それにオレは岸辺が嫌いなんだ。あんなヘボ、嫌いなんだ。友達と思われるのもイヤだね。そんなヤツをなんで助けなきゃならねーんだよ。
 怖かったよ。当たり前だ。
 怖かったよ。だから逃げた。
 怖かったよ。だってあの時はオレ一人しかいなかったんだぜ?




「人を判断する時はその人の言葉ではなく行動で決めている」
 真田はあの時そう言ったっけ。
「どうしたの?」
 オレの突然の独り言に、彼女がビックリして顔をあげた。彼女の手にはまだコーヒーの缶があったな。オレはもう飲み終えてたけどさ。
「いや、前にあるオンナがそう言ってたのを思い出した」
 そう答えると彼女はゆっくり頷いて、そのままオレの手に視線落としてさ。オレはそん時、寒くて手を擦り合わせたんだよ。そんで彼女は頷いた拍子にオレの手を見て、自分の白い手袋を外してオレにくれた。オレが「いらねー」って言っても、彼女は首を振って「私は平気だから」って。
 オレはホントにいらねーって思ったけど、とりあえず彼女の手袋を持って何となく嵌めてみたわけ。
 ちっちゃかったね。
 んでもその手袋、ニットでできてたからだと思うけど結構伸びてくれて、手首までは無理だったけどちゃんと入ったんだ。この手袋、外したらビロビロになってるんじゃねぇか?って思ったよ。
「私も…その人の行動で決めなくちゃね」
 キチキチの手袋を見て、彼女は小さく笑いながら呟いた。




 岸辺の事件の事を思い出すと、今もイヤな気分になる。
 でもオレはそん時、クソ寒い公園の噴水の縁で彼女の隣にボーっと座っていろんな事を考えたり思い出したりしてたあの時、いつもと違った事が頭に浮かんだ。
 あの時オレが岸辺を助けに行ったら、オレは真田に「コノハナントカ」とか言って笑われただろうか?ってね。
 いや、オレが岸辺を助けなかった事は別に薄情でもなんでもないと思うぜ?だってオレと岸辺ってそんなに仲良くねーし、それに普通は見て見ぬフリなんじゃないの?相手は五人以上いたんだし。
 でもさ、それでももしオレが岸辺を助けに行ったら、真田は「コノハナントカ」って言わなかったかもしれない。その日の気分でオレと喋る苅田も、もっとオレと仲良くしてくれたかもしれない。南だってオレの事を毛嫌いする事はないのかもしれない。砂上さんだってもっとちゃんと相手にしてくれるのかもしれない。
 他の奴等だって、イブの夜にオンナにブチされたオレを笑って冗談言ってくれて慰めてくれて、「今からどっか行こうぜ」とかって誘ってくれて。
 そんなふうになってたのかもしれない。
 岸辺を助けるだけでそこまで変わるはずないんだけど、オレはあの時確かにそう考えて自分の事が嫌いになった。
 本当の友達がいない。
 本当の恋人もいない。




「もうすぐ0時ね」
 彼女の声に反応して、公園の時計を見上げた。
 12時15分前。
「私は賭けをしていたの」
 彼女はまた寒くなったのか、声が震えてたな。
 オレが買ってやった缶コーヒーをコートのポケットに大事そうに入れて、そこに手を突っ込んで震えてる彼女。
 吐く息が白くなって出てきてはすぐに消えていく。
「何を賭けてたんだよ」
「彼が来るかどうかを」
「約束してたんだろ?」
「私の友達は、中井さんは騙されてるって言うの。でも私は彼を信じた。信じたかった。いつも突然私を呼び出して何か買ってくれと強請る彼を信じてた。出会いが例え適当メールでも、そんなの関係ないと思ってた。キスも何もしてくれないけれど、メールではいつも『好きだ』って書いてあったもの。会うとそっけない態度をとって私を見ようともしてくれないけど、それでもメールには『今日は会えて嬉しかった』って書いてあったんだもの。でも私の友達は、中井さんは騙されてるって言うの。だから賭けをした。お願いだからイブの夜は会って欲しいってメールを送って」
 彼女の声は冷静だったよ。震えてたけど、静かな冷静な声だったよ。
 オレは何も言えなかった。そのオトコがどんなヤツかは大体想像ができる。ソイツは深海や苅田や、ましてや南なんかとは全然違う。
 彼女のオトコはオレみたいなタイプなんだ。
「お前は騙されてる」
 ハッキリ言ったよ。オレ。
 だって彼女が震えてたんだ。
 震えてたんだ。
「賭けをしたの。ずっと待ってるってメールを送ったの。さっきトイレに行った時もメールを送ったの。ずっと待ってるって。でも彼は、何か欲しいモノがある時じゃないと私にメールもくれない、返事もしてくれない。いつもこうなの。でも、私は賭けをしていたの。だって彼はいつもそっけないけど、メール送ってくれる時は『好きだよ』って…」
 彼女は震えながら携帯を出して、震える指先で、オレの目の前でメールを打ちだした。
『会いたい』
『待ってる』
『返事をください』
『お願いです』
『少しだけでも会ってください』
『会えなくても良いです。でも返事をください』
『声だけでも聞きたいです』
『お願いです』
 文字を打ち込んでは送信を繰り返して。

 そしたら、来たんだ。
 メール着信の音。
 急いで彼女が携帯を覗いて。
 オレも気になって覗いて。
 でもそこには『もう連絡するな』って文字があった。

 彼女は時計を見上げて黙った。最初見た時みたいに、マネキンみたいに固まって呆然としてた。
 オレも時計を見上げた。こんな事になるだろうとは思ってたけど、やっぱり何かやりきれなくて。
 二人でじっと秒針を見てて。
 …そんで、彼女は時計の針が12時を差した途端にワーッて泣き出したんだ。そりゃもう、隣にいるオレが驚くくらい声を出して。
 オレはその時、どーしようもなくてさ。
「泣くなよ」
 って、そんなバカみてーな事しか言えなかったわけ。ホント、バカだろ?
 したらさ、彼女がオレを見て、もう睨むように見て、いや、あん時はオレを睨んでたよ。温厚そうで、オレが何も言わなくてもコーヒー買ってきてくれて手袋もさせてくれて、オレの与太話をちゃんと聞いててくれて、オレの名前をちゃんと覚えててくれて、一人でいたオレに話し掛けてくれてずっと寒空の下で愚痴も言わずにオトコを待ってた彼女が、目を真っ赤にして唇ブルブル震わせて涙ボロボロ流しながらオレを睨んだ。


「今泣かなかったらいつ泣けば良いのよッ!!」


 分かる?
 もう、言葉なんかできねーくらいな気持ち。もうワケ分かんねーって感じ。
 彼女のオトコに会ってボッコボコにしてやって、そのオトコ引き摺ってきて彼女に土下座させたかった。そのオトコの携帯を踏み潰して、粉々になるまで踏み潰して壊してやりたかった。彼女の携帯だってブっ壊してあげたかった。クソッ!クソッ!って叫びながら公園の時計の柱を金属バットかなんかで折ってやって、あの丸い時計を噴水の中に放り込んでやりたかった。そんで、オレも彼女にガツンガツン音が出るまでアタマ石にぶつけて謝りたかった。そんで、許してもらいたかった。オレが彼女に謝る必要なんてないけど、とにかくあの時はスゲー真剣にそう思ったんだ。彼女がどんな思いでこのクソ寒い中ずっと待ってたかと思うと、謝って当たり前だと思った。同情じゃねーよ。同情なんかじゃねーよ。なんかさ、その場にいた人じゃねーと分からない事ってあるだろ?上手く言えねーけど、あるじゃん?アレだよ。
 とにかく彼女はオレに怒鳴りつけるように叫んで、また泣くんだ。思いっきり泣くんだよ。
 いろんなコトが急にアタマに浮かんでオレだって彼女と一緒に叫びたかった。
 なんかどうしたらいいのか分からなくてさ。その場で意味もなく立ち上がって彼女の手を持って引っ張ったわけ。オレ、あん時すげー力で彼女の手を握ってたのを覚えてるよ。
「深海ン家行こうぜ」
 オレの口から急にそんな言葉が出てきて自分でもワケ分からんって感じなんだけど、とにかくオレはそう言ったんだ。
 彼女はオレに手を引っ張られて、よろめくように立ち上がったけどまだスゲー泣いてた。
「深海に会いに行こうぜ。中井、同じクラスだろ?アイツに会いに行こうぜ」
 オレはなんか怒ってるみてーな声出して、彼女を引っ張って歩き出した。




 オレはいつも他人まかせだ。喧嘩も一人じゃできねーし、彼女を助けてやる事もできない。それなのにオレはいつだって人のことバカにして…強いヤツの機嫌を伺う。
 知ってたさ。真田が何を言いたかったのか。
 知ってたよ。深海が何故あの時黙ったか。
 知ってた。なんでオレは本当の友達や恋人ができないのか。
 シッテタ。
 ワカッテタ。




「迷惑になるからいい」
 足元フラつかせながら、彼女は首を振って立ち止まろうとしてたけど、オレはどんどん引っ張って歩いて行った。途中でコートのポケットから携帯出して、深海に電話した。時間遅かったけど、どうしようもなかったんだ。
 深海は起きてた。それどころか岬杜のマンションにいて、苅田や緋澄、真田に南、砂上までもいるって言ってた。オレが今から行っても良いか?って訊いたら「大歓迎」だと言ってくれて、彼女の事も同じように「大歓迎」だと言ってくれた。久々に連絡したのに、だぜ?深海はいつもこうなんだ。アイツは最高なんだ。
「深海、待ってるってよ。砂上もいるらしいぜ?真田も」
 繋いだ手を離して、彼女から貸してもらってる手袋の右側だけを外した。唇震わせながらしゃくりあげてる彼女の右手を持って手袋をしてやると、素手の方の彼女の左手をオレの素手の右手で握った。彼女の手は冷たかったけど、オレの手だって冷たかった。でもオレは
「こうすると温かいだろ?」
 って言ったんだ。
 彼女は声出してワンワン泣きながらもちょっとだけ笑ってくれて、笑おうとしてくれて、何度もコクコクって頷いてくれた。




 オレさ。真田とか苅田とかもそうって言えばそうなんだけど。
 南と友達になりたいんだ。
 幼少部の頃からアイツ変わってなくてずっとオレを毛嫌いしてるけど、アイツがオレを嫌うからオレもアイツを嫌ってるフリしてたけど、実はオレ、南の性格凄い好きなんだよな。
 アイツってさ、苅田や真田みてーに人をヘンに笑う事って絶対ねーんだよ。いくらオレの事が嫌いでも、嫌味っぽい笑い方しながらオレを見た事なんて一度もなかった。そういうヤツなんだ。南って。
 異常に真っ直ぐなヤツでさ、見てて気持ち良いんだよな。誰にも媚びないし。




「深海の手ってスゲー不思議なんだよ。知ってるか?」
 泣きながら鼻を啜ってる彼女に訊いてみた。通りに出てみると人はまだ沢山いて、時折通りすがる人が大泣きしてる彼女を見てたけどオレは気にせず彼女の手を持ってズンズン歩いた。
「……噂では、聞いてる……っ…誰か…が、深海君は、霊媒師だって」
 スン、スン、と鼻を啜りながら彼女は答える。泣いてるから上手く喋れないみたいだけど、ちゃんと答えてくれる。
「オレは噂で、深海は超能力者だって聞いたぜ」
「クラスの、女の子はっ…っ……深海君を、霊能力者みたいな感じがするって」
「オレのクラスの女子達は深海はオンミョウジだって言ってるぜ」
「クラスの、男の子達は、深海君は気孔師だって……。真田さんは最近、深海君の事ニュータイプって、呼んでる…」




 あの日、オレは彼女と一緒に何を待ってたんだろうな。
 今考えてもよく分かんねーよ。
 たださ、暇潰ししてたわけじゃねーんだよ。あんな寒かったのに、そんな意味のない事するわけないし。彼女と喋った事もなかったオレが、彼女ン所に行って彼女と一緒になんかを待って。
 ただ、彼女が
「私、待ってみる」
 って言うと、オレもなんだか
「オレも待ってみる」
 って言ってた。
 不思議だよ。最初は彼女に話し掛けられるのもイヤだって思ってたのに。

 ただひとつだけ言える事は、あの日はクリスマス・イブだったってコトだ。
 そんでオレはあの日あの公園で彼女と会ったってコトだ。
 もしかしたら神様ってヤツが……って、んなワケねーべ。
 まぁ、良いか。




 オレさ。
 変わりたいと思う。
 もし変われたら、彼女と……中井さんと、もっと仲良くなりたいと思う。
 そんで。
 いつか南と友達になれて「オレのツレ」って言える、言ってもらえる日が来たら良いなって思う。





end






novel